前世療法の実例

Eさんのケース (うつ病・人間関係・仕事の悩み)

うつ病の治療は薬物療法が必要かどうかを医師に相談することをお勧めします。詳しい治療については、 うつ病へ。

学生運動のリーダーとして活動した経歴を持つ、Eさん(仮名・女性)は、「いつも胸の奥に何かがつまったようだ、長年うつ病をわずらっている」、「自分の感情を感じることができない、中にたまった感情を外に出すことができない」「恋愛や結婚がこわい」「将来どのような仕事をしたらいいかわからない」という悩みで来られました。 このご感想は、Eさんのご好意により「他の方々のご参考にするため」掲載許可をいただいております。

前世療法をお望みでしたが、最初は「平安な気持ち」「平和な気持ち」を感じるイメージに入っていただき、そこから、胸の奥の感情の中に入っていきました。胸の中には「どこへも行かれない感じ」「空っぽな気持ち」などがあり、そこから「アフェクト・ブリッジ法」で、前世に移行しました。

最初に出てきたシーンは、真っ暗で何も見えない、光もない、穴倉のような牢屋でした。いきなり号泣しだしたこの兵士は、孤独、空腹、恐怖を訴えました。彼は国のために力を尽くして働いてきたのに、誤解され、裏切られ、投獄され、餓死する運命にありました。家族とも生き別れになり、孤独の中で、苦しみながら死を迎えました。心理的にも肉体的にも限界に達した兵士は、「感じるとつらいから、感情にふたをした」のです。

この兵士は、無実であること、無念であることを知って欲しかったのです。兵士と同様に、今生のEさんも、学生運動で投獄され、正義のために戦ったのに、不当な扱いを受けていたのです。兵士がもだえながら号泣し、Eさんも、ワンワン号泣しました。今まで泣かないでいた、強いEさんが、胸にたまった気持ちを泣くことによって解放し始めました。兵士の人生を終えたのち、Eさんは、体と心を、滝の水によって癒すイメージにひたりました。

二番目の前世は、ラプラスという名のローマの政治家で、彼もまた、国家のために、正義のために働いた結果、権力者の怒りをかい、公衆の面前で、死刑に処されます。しかし彼は、自分としてはベストを尽くしたとして、最後にはいさぎよく死を迎えます。ラプラスの死は平安なものでした。

三番目の前世は、マルタという名のスペインの修道女です。マルタは、最初の二つの前世の反動(というのは、Eさんの説明)で、静かな修道院でめだたない一生を終えます。マルタの人生のテーマは、神に仕える静かな人生で、Eさんの魂は、安全な場所にいるマルタと共に休息します。マルタは芸術的な才能があり、花の絵を描いたり、楽器を弾いたりします。それは今のEさんが、引き継いで育てるべき才能で、Eさんは、これから創造力をもっと活かす職業につくべきであることに気付きます。

これらの前世のテーマのうち、「孤独」「正義」「誤解」「裏切り」などは、現世でも学生運動で投獄されたEさんの体験にも反映されています。また、「誤解」や、「裏切り」にあった体験が、無意識のうちに、人間関係に反映されているかもしれません。Eさんは、「めだつとあぶない」という思いこみを持っていることに気付きました。Eさんは、無意識に出世することをさけ、一つの仕事を長く続けない人生をおくってきました。また、恋をしても、深入りをさけてきました。

2回のセッションで、これだけのことがわかり、Eさんは、これからマルタから引き継いだ創造力を活かす仕事を探したいと言っています。

うつ病というのは、普通、薬で症状を押さえたり、軽減したりする治療が行われていますが、 なかなかよくならない方もいらっしゃいます。 そのようなとき、現在の治療と併用されながら、 ヒプノセラピーや心理療法を試されることも一案です。「うつ病」の中をのぞいていくと、いろいろな感情が浮かび上がってきます。たとえば、怒りとか、後悔とか、罪悪感、無念な気持ちなど。 Eさんの場合も、前世療法が、押さえている感情を少し解放する道具になったようです。

1999年 著作権・臨床ヒプノセラピスト・やのうせつこ

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