目次
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はじめに (**下記参照)
第 1 章 : 日本から見たアメリカの政治:何故実態と違って見えるのか?
(1) 「今年の大統領選は面白くない」
(2) 「日米開戦前夜に似た状況」
(3) 日本でワシントンの政治を理解することの難しさ
(4) 米国情報の入手手段を変えたインターネット革命
(5) 全体の関連性の理解が難しい
(6) 日本人の権力への畏敬
(7) 日本の「中華思想」と日本への関心を失ったワシントン
第 2 章 : ワシントンから見たワシントンの政治
(1) ワシントンにいてもわからないワシントン政治
(2) ワシントンの政治を理解するための出発点
(3) 外国人の見るワシントンの政治とアメリカ人の見るワシントンの政治
(4) ワシントンという街の特殊性
(5) 民主党と共和党の考え方の基本的な違い
(6) リベラルか保守か中道か
(7) ホワイトハウスと議会の権限の争い
(8) ワシントンの情報はいわゆる「情報」ではない
第 3 章 : ワシントンの政治を理解するために
(1) 米国憲法の理解
(2) 議会の権限の弱まった理由と近年の議会の主な仕事
(3) 米国連邦予算(その1:予算の構造)
(4) 米国連邦予算(その2:予算作成の過程)
(5) 大統領の権限は何故強大化したのか
(6) しかし大統領の仕事の相当部分は儀典である
(7) 最高裁判所の政治色
(8) 政治と情報公開
第 4 章 : ワシントンのロビイングを理解するために
(1) 3種類のロビイスト
(2) ロビイングの基本とは法案の条項を変えること
(3) ロビイングとPR活動の関連性
(4) 金がかかるロビイング活動
(5) 日本企業の米国政府・議会へのアプローチのあり方
第 5 章 : アメリカの選挙を理解するために
(1) 大統領に当選するための戦略(その1:大統領選予備選)
(2) 大統領に当選するための戦略(その2:大統領選本選)
(3) 上院選と下院選の特色
(4) 2000年大統領選の特色
(5) 財政黒字化を実現した90年代と21世紀初頭の政治展望
第 6 章 : アメリカの政治から学ぶべきもの ーー 日本の変革への提言
(1) アメリカに学ぶべきものはあるか?
(2) 日本の首相公選論
(3) 強力な独立行政権を確立するために:準大統領制導入の勧め
(4) 言論の自由と民主主義
(5) 減税とは何か
あとがき
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** 〔はじめに〕
”筆者が本書で論じたかったことは3点ある。まず第一に、日本のワシントンの政治の報道というのは不充分であったり歪んでいたりすることが多いので、日本の報道の問題点を指摘したかった。日本人が、ワシントンの政治をわかっているようでいて実はわかっていないのは、そうした日本の報道に問題があると感じたからである。日本の報道ばかりでなく、アメリカのワシントン政治に関する報道も随分歪んでいることが多いから、それも指摘した。
第二は、それでは本当のワシントンの政治の姿とはどんなものかということを、構造的に明らかにしてみたかった。米国憲法に一度遡らなければならなかったし、大統領、議会、最高裁という3つの権力の実態を正面から論じる必要があった。米国は幸い情報公開の進んだ国であるので、あまり秘密はない。むしろ多過ぎる情報のどれを信用し、政治をどう見るかという観点を養うことがワシントンの政治を理解するために最も重要であることを説明した。政治の構造の他、大統領選や議会選の仕組みを動的に説明し、また政治を取り巻くロビイング産業とは一体どういうものかということも説明した。
第三は、アメリカの政治の全体像を見た上で、日本が未だアメリカから学べるものは多々あるのではないかということを指摘したかった。特に過去10年間は日本にとっての「失われた10年間」と言われ、日本の再生が急務となっている。そのためにはどうしたらよいか、米国のどういうところから学べるかという議論を展開した。政治改革をするのなら、アメリカ大統領制並みの強力な独立した行政権を確立する必要があること、戦後の日本が輸入した言論の自由や民主主義は制度的なものだけに留まっており、日本人はもっとアメリカの「言論の自由」の本当の精神・魂を学ぶ必要があることなどを指摘した。
たまたま2000年の大統領選が終わり、GWブッシュ政権が発足した時でもあるので、第5章の後半に、2000年の大統領選の特色を述べ、21世紀初頭のアメリカの政治の展望を試みた。また大統領選や2000年の国勢調査の結果などを基に、本書全体の情報とデータのアップデイトをおこなった。
ワシントンの政治の真実の姿を判り易く、しかも興味深く書いた本はあまり存在しない。少なくとも筆者はそういう本を見たことがほとんどない。本書は筆者のワシントンでの20年の経験を基にして、ワシントンの政治の本当の姿を様々な角度から論じ、体系的に纏めてみたものである。ワシントンの政治のすべてを論じることは不可能であったが、これまで日本にはよく知られていなかったワシントンの政治のダイナミズムを少しでも明らかにできたのはないかと思っている。
本書が、日本の政界、官界関係者、報道関係者、大学や専門機関の米国研究者や学生、企業の米国事業関係者、ワシントンや日本の政治に関心のある江湖の人々に読まれ、ワシントンの政治の本当の姿を理解するための手がかりとなれば幸いである。”
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